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はじめに…
初音映莉子 (ERIKO HATSUNE)
TV ANB『サトラレ』 NTV『ラビリンス』 NHK『純情きらり』
映画 『BOM!』『マナに抱かれて』『うずまき』
CM 『永谷園』『四谷学院』『WW By Samantha Thavasa』
舞台 劇団 本谷有希子『無理矢理』 KARA・MAP『ヤング・マーブル・ジャイアンツ』

※写真:"OneDayMovie" 『プリーズ、ウェイク・アップ』より
山内健司(YAMAUCHI KENJI)
CMディレクター。
近年は、CMの他に
CX「Smap Short Films」の『治療』、「Grasshoppa!」の『ボヌールハイツ』、 CX「世にも奇妙な物語」の『マンホール』、CX「演技者。」の『I(アイ)の世界』
舞台『葡萄と密会』、『乞食と貴婦人』など。
スペシャル対談 『プリーズ、ウェイク・アップ』
初音映莉子×山内健司
今回は、大好評のうちに無料配信が終わった『プリーズ、ウェイク・アップ』について、よう子役の初音映莉子さんと脚本、監督の山内健司さんに対談していただきました。
この日、天気が悪く、初音さんはなんとなく体調がすぐれないとのこと。
山内さんは、前日のCMの編集が朝までかかりほとんど寝ておられません。というのも、クライアントのR社が試写の結果、編集をやりなおしてほしいと言い出し、山内さんはそれに対し子供のように泣き叫んで抵抗し、その場にいた数人で喧々諤々、結果的に山内監督を説得したということで、監督は非常に不機嫌、というかひどく元気がありませんでした。(編集部)
初音
どうもご無沙汰してます。
山内
あ、どうも。
初音
・・・・・・。
山内
・・・・・・。
初音
あの、今日は対談っていうことなんですけど。
山内
え?
初音
でも、なんかあの、進行させるような人もいなくて。
山内
ええ・・・なんか困っちゃいますよね。
初音
ええ。ふたりだけだとなんか・・・・。
山内
・・・ええ・・・・・
初音
あの、大丈夫ですか?
山内
え?
初音 
なんか、心ここにあらず、みたいな。お疲れですか?
山内
ああ、いやいや、そんなことないです。めちゃめちゃ元気です。元気だぞうう・・・(落ち込む)でもあの・・・初音さん、ですよね?
初音
え?ええ。そうですけど。え、もうお忘れですか?あたしのこと。
山内
いやいや。でも、お顔がよくわかんないから。
初音
あ。ああ、すいません、つけっぱなしだった。
山内
ああ。初音さんだ。初音さんが出てきた。ひょっとして別の誰かにだまされてるんじゃないかと思いました。
初音
すいません、取るの忘れてました。あの、ちょっと花粉症で。
山内
花粉、もう終わったでしょう。
初音
あたし、反応にぶいから。
山内
・・・ そうですか。
初音
はい。
山内
でも、マスクはわかるけど、そのサングラスは花粉対策にはなんないですよ。
初音
そうですか?
山内
そうですよ、すきまから入ってきちゃうもん。どうせつけるんなら、ほら、水中メガネみたいなやつ、つけないとね、はは。
初音
昨日はそれをつけていました。
山内
あ、そう。
初音
でも、ほっぺたに跡がついちゃって。
山内
・・・そんなに重症なんですか?
初音
いえ、ぎみなだけです。
山内
え?うみないび?
初音
え。なに言ってんですか、花粉症、ぎみなだけです。
山内
ああ。・・・でもやっぱり、初音さん、かわってますよね。
初音
そうですか。山内さんにそう言われると、よっぽどなのかなと思ってしまいます。
山内
はは。それはどういう意味なのかなあ、とは思うけど、まあ聞かないでおくとして、しかし、ええと、進行係いないし。ええと。なに話せばいいのかなあ、と。
初音
『プリーズ、ウェイク・アップ』のことですよね?
山内
そうそう、そりゃそうです。まあでも、『プリーズ、ウェイク・アップ』撮ったの、もう去年だし。忘れちゃいましたよねえ。
初音
そうですか?あたし、よく覚えてますけど。
山内
あ。そうですか、僕もよく覚えてます。
初音
山内さんは、ああいうの、たくさん作ってるから、忘れちゃうんでしょう(微笑)
山内
いえ、だから覚えてます。それにあんなのたくさん作らないし。ふだんCM作ってるんだから。
初音
ああ、そうですよね・・・・でも、今の「あんなの」っていうのはどういう意味ですか?
山内
え?
初音
なんか、侮蔑的なにおいを感じたっていうか、なんていうか、なんですけど。
山内
え、侮蔑的。いやいやそんなことは。むしろ逆です。『プリーズ、ウェイク・アップ』は、自分が作ったものの中でもそうとう好きですよ。
初音
そうですか。あたしもそうとう好きです。
山内
え。そうですか、なんか初めて一致したというか、意思のそつうがあった感じですね。
初音
そうですね(微笑)。
山内
はあ・・・・・どういうところが好きですか?
初音
えっ?誰の?
山内
え。いやだから『プリーズ、ウェイクアップ』の。
初音
ああ。。ええと、そうですね・・・ヘンなところが。
山内
あ、そうね。でもヘンだけど面白くないですか?
初音
めちゃめちゃ面白いです。演じていてもすごくおもしろかったんですけど、できたモノを見たら、もっと面白かったです。
山内
そりゃよかったです。じゃああれですか、初音さんもルイス・ブニュエルとか好きなくちですね、きっと。
初音
え。誰ですか?
山内
あ、いや、いいです。
初音
『昼顔』の監督ですね?
山内
知ってるんじゃん。
初音
そういえば、『昼顔』のラストで、きれいな並木道を馬車がしゃんしゃんしゃんて走るところは、夢だか現実だかわからなくって、そういうところは今回のに似てる気もします。
山内
なるほどー。
初音
でも、違いますね、今回のは、あの映画みたいにきれいじゃなくて、もっと狂ってる感じがする。
山内
うむむ。放送禁止用語ですね。
初音
え、狂ってるって?あ、そうか。すいません。正常じゃない感じがします。
山内
狂ってるってことですね?
初音
はい。なんていうか、映画でいうなら、失敗したD・リンチっていうか。
山内
げげ。
初音
あ。ごめんなさい、失敗しただけ余計でした、あたしったら失礼なことを。
山内
いやいや。
初音
すいません、今のカットで。ごめんなさい、あたしすごい緊張してて心にもないことを。
山内
ぜんぜんそうは見えないけど、いやでもうれしいです、D・リンチ好きだし。
初音
リンチみたいって、そのまま言うのも失礼じゃないかと思って、それでなんかちょっと、気の利いたことを付け足さなきゃと思って、そしたら訳わかんなくなって。
山内
いやいやいや。ああ、なんか僕の方が肩こっちゃったな・・・あの、他に、つまりヘン以外に、今回印象に残ったことっていうと?
初音
あ、それはもちろん、共演した深浦加奈子さんと古館寛治さんです。ほんとに楽しかったです。ふたりともほんとうまくて。勉強になりました。
山内
古館さんとははじめてだろうけど、深浦さんとも?
初音
初めてです。深浦さん、ほんと素敵です、すごい迫力だし。
山内
深浦さん、いっちゃってましたもんね。
初音
ええ、ほんと。山内さん、深浦さんにいっちゃってくださいって言ってましたよね。
山内
そんなこと言いました?
初音
ええ。あら、あたしなんかまた余計なこと言っちゃったかな。
山内
いやいや別にそんなことないですけど。
初音
あの。もうこの対談、終わりにしませんか?
山内
あ。
初音
でないとあたし、どんどんおかしなこと言いそうで。今日ちょっと、花粉のせいだと思うんですけど、ちょっとあたし、おかしいんです。
山内
ええ、よくわかります。そうですね、なんか結局ふたりしかいないし。終わりましょう。初音さん、今日はわざわざありがとうございました。
初音
こちらこそありがとうございました。
山内
これから、どっちの方へ?
初音
あたしは、目黒の方へ。
山内
ああ、僕は三鷹なんで、じゃあ途中まで一緒に。
初音
はい・・・え、でも方向、真逆じゃないですか?
山内
あ、そうだ。はは、じゃさようなら。
初音
失礼します。
(おしまい)
初音映莉子オフィシャルサイト

http://www.me-gumi.com/hatsune/
http://www.ateam-japan.com/profile/08.html
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