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短篇.jpルーキーズ第2弾 参加監督対談(2)

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田中智章(左)・佐藤克則(右)両監督対談の続編です。

プロとして歩みはじめたお忙しい時にもかかわらず、お時間をつくっていただき、ありがとうございました。長時間、興味深いお話を聞かせていただいたのですが、割愛・編集してしまったことをお詫びいたします。
公表できないけれど、進行中の企画もあるそうで、とても楽しみです。
短篇.jpルーキーズ参加監督たちから、映画祭受賞や商業デビューなど、ご活躍の情報をいただくことが多くなりました。
次回は、ルーキーズ第1弾の岡元雄作・片岡翔両監督の対談を掲載いたします。


◆撮影と制作のこと。

佐藤:ルーキーズ第2弾の撮影というか、制作っていうのは?

田中:プロの女優さんを撮るのは初めてじゃないけど、新鮮ですよね。気負いみたいなのありました? プロの俳優を演出するってことに…

佐藤:文化庁の映画で(*文化庁 若手映画作家育成プロジェクト)、プロの役者さんは初めてだったんですが、リハも全くありませんでした。衣装合わせの時に1回会ったきりで、もうすぐ本番だったんで、気負う余裕もなかたんです。

田中:今までの自主映画では丹念にリハーサルをして?

佐藤:結構やりますね。リハは。現場であれこれっていうよりかは、リハである程度シーンの意味とか、そういう意思の疎通をやった上で、現場に着いたらスムーズに、自分でカメラも回してるんで、ある程度前もってやれることはやっちゃおうってタイプだったんですよ。でも、そういうのが出来なかったんで。もう放り投げるしかないっていうのは、怖さはあったんですけど。

田中:「ジャパニーズセラピー」の中村麻美さん、いいですよね。「せかいのおわり」を観てファンだったんで。

佐藤:中村さん、すごく理解が早くて助かりました。撮影している時に、シーンの意味をディスカッションしてってやってる時間とかって全く無い訳じゃないですか。ある程度、役の意味を噛み砕くのを役者に任せるしかない。でも、任せるっていうのが出来る、ってのは自分の中で発見でしたね。前は出来なかったんですよ、やっぱり。昔、自主映画やってる時は、なんでもかんでも自分の思い通りになんないと嫌だ、みたいなのはあったんですけど。ある程度放り投げてみると、自分が思いつかなかった事を役者がやってくれるんだなって。

田中:霧島れいかさんも、質問とか面倒臭い事は全然なくて、はいはいって。

佐藤:ああ、それ聞きたかったんですよね。霧島さんが凄い細かい事やってるじゃないですか? あれってどの辺まで指示してたのですか?

田中:指示してるのもありますが、アドリブがほとんど。編集していて、あとで、凄いなって気付くっていう…

佐藤:僕も最初、webのちっちゃい画面でしか観てなかったんですけど、DVDもらったりとか、予告篇の編集してたんで、DV画質の素材を観せてもらったりとかして、各作品を見直してみたら、霧島さんの印象が一番変わったんです。大きい画面で観るとこんなに細かい事をやってたんだなって。

田中:はいはいって撮影して、お疲れ様ですーって、時間を気にする様に去っていったんですが、編集した時びっくりしたんです。あーすげえなって。これがプロなんだなって。面倒臭い事言わずに、さーっとやって、いいとこだけを残して、さーっと去っていくっていうか。

佐藤:カッコいいですね

田中:男前やなーって。

田中:僕も自主映画の時はコントロールしようとしてたんですけど、佐藤さんがおっしゃった様に、放り投げるっていうか、任せるっていうか。映画はなんか自分でコントロールしても、自分の趣味と、自己完結して、自分の思った様に撮れる訳じゃないですか。昔、自分もカメラやってたんですけど、自分が想像した画を撮って、自分が動かしたい様に動かして、結局イメージしたもんが出てもつまんないんですよね。

佐藤:そうなんですよね。

田中:豊かじゃないんですよね。それより、アクシデントじゃないけど、この瞬間に後ろで木が揺れてる、風が吹いたとか、映画って、やっぱりそこで偶然起こったことの方が、撮ろうとしたものより撮れてしまったものの方が、凄くないですか? シーンでも。映画を観てても、あ、こいつ狙ってるなって思ったら、急に冷めたりとか。

佐藤:ああ、そうですね。意図が見えてしまう。

田中:意図が見えると。ここで泣かせようとしてるとか、笑わせようとしてるとか。

佐藤:そうそう。分かっちゃうと冷めますよね。

田中:だから、どれだけその、無意識というか、映ってしまったものが一杯ある映画が、こんな瞬間よく撮ったなって、演出か分かんないけど。フィクションだけど、ノンフィクションじゃないけど、でもそういうのが一杯映ってると、なんか生々しい、変な…映画って多分そうなんですよ。

佐藤:そうですよね。空気感がやっぱり違ってきますよね。「東京はみだしゲーム」でもあそこが好きなんですよ。逆上がりする前が。あれは凄い。

田中:日が暮れてくるし、カット割りも決まってないし、月永さん(撮影:月永雄太)がフリーハンドで何回かやってる風に、いろんなサイズでばーっと押さえてもらって、編集で観たらその木の揺れとか、非現実的かもしれないけど、映画好きな人が撮ってると魂が籠ってるというか、撮ったもんが映画になってるというのか、ノーライティングだし、ただビデオカメラ回してるだけなのに、なんで。

佐藤:いやぁ、なんか映画ですよ。

田中:木が揺れてるんですよね。背中越しに、それで髪が風に揺れてたりとか、多分この風を撮らなければ、とか月永さんは意識してないけど、反射神経で。いっぱい映画観てて、映画が好きだから、こうなったら映画になるっていうのを知っている。やっぱりすげーなぁって。監督はある程度コントロールしなきゃ駄目だけど、なんか出来てしまうっていうのが映画なんだなぁ…と。

佐藤:そうですね。自分の手を離れる瞬間っていうか。

田中:「ジャパニーズセラピー」はカメラのワーキングと、編集がハリウッドみたいに凄い上手いんですよね。イーストウッドじゃないけど、意図を感じさせず、的確なカットがスーッと流れてって…

佐藤:やっぱりちょっと意識してやってましたね。そうやって撮り易いところから、全部脚本っていうか、設定作りから。室内の広い所でやるって決めてたんで。カメラを動かしたかったんで。まぁ、ドリーというよりタイヤのついた三脚だったんですけど。普通にレール敷いたりとかでやってったら、とても一日で撮りきれないので、もう、編集しながら撮るっていう感覚で、計算しながら撮ってました。役者さんたちが意図を理解してくれて、なおかつ自由に演技してくれたので、現場に勢いとか一体感がありましたね。今回は脚本、監督、撮影、編集、音楽まで自分でやりました。でも、もう、監督だけやりたいですよ〜

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◆プロになっていくということ。


佐藤:今回「スイッチ!」としてDVD発売されて、いちおうプロ意識が生まれたのですが、他にも舞台「FROGS」を映像収録した「FROGS on Screen」が6/7よりロードショー公開されました。

田中:ゲキシネっていうのですか?

佐藤:ゲキシネとはちょっと違うのですが、アミューズ若手俳優達の青春ダンスアクトの映像監督というかたちです。劇場用映画としてソニーが製作配給してます。舞台の演出は、岸谷五朗さん。スキップ映画祭で入賞したことが経緯ですが、そこのディレクターやってる人が、ソニーの方なんで、そこのツテでやってみないかっていう事で。

田中:編集も編集マンが?

佐藤:いや編集は自分で。撮影自体は2、3日かけて、舞台を撮るだけなんで。
今やっている作品は、もう2か月くらいやってますかねぇ。田中さんは劇映画撮ったんでしょ?

田中:劇映画っていうか、オリジナルDVDですね。トルネードフィルム製作で、9月発売のDVDと携帯電話のインターネット配信もの。みやすのんきさんの漫画原作で、女優はみひろさんと穂花さん。脚本は僕が書きました。自分で思っていたより、ポップな世界ができたので、これはこれで発見でした。

佐藤:観てみたいですね。やはり商品として、決着をつけるのは難しいけれど、やりがいはありますよね?

田中:いちおう、制約の中でカタチにはできたと思うんですが…今、そのソニー系のほか、監督として準備作とか企画書作ってとか、そういうのを進めているんですか?

佐藤:いやぁ、ちょっと前はやってたんですけどね。今、それがもう忙しくなっちゃって。いくつか企画書は出しているのですが、なかなか動きだしません。忙しい時にこそ、次々と企画をしていかないといけないのですが…

田中:僕はなんか脚本が書けるんで、脚本の方は有り難い事にお呼びが掛かっているんですけど、でも劇場映画の監督としてデビューしたいんですよね。やっぱり、そうですよね?

佐藤:そうですねぇ。
                               (了)