『バリガー』(その1)
『バリガー』
監督・脚本 柿本ケンサク
撮影日 2006/5/15
クランクイン 8:30@埼玉県比企郡吉見町
クランクアップ 翌4:00@芝公園
あれは、全作品の『お別れのバラード』の衣装合わせの最中だっただろうか?バタバタと事務所の中を右左としていた時、奥のテーブルでは、マネージャー付きの監督と小さなプロデューサーが打ち合わせをしていた。理由はわからないが、何故か私は『バリガー』を撮る前の監督・柿本ケンサクさんに「お幾つですか?」と挨拶もそこそこにまず聞いた。
「23です」さわやかな第一印象だったと思う。
23歳の頃、私は何をしてたっけ? とある映画の宣伝で、右も左も分からずに東京砂漠の砂を食べていた時ではなかったであろうか。前作の撮影が終わって休日を取った後にやっとこさ『バリガー』の台本を読んだ。本作品を観ていただいた皆さん、主人公のナレーションの台詞を文字に、声に出してみてください。そりゃー最初に読んだ時は、そのくさい台詞にびっくりしたどころか、ちょっと引いてしまったくらいだ。(あくまでも個人的趣味の問題ですが)
監督との最初の打ち合わせには、なんと私は1時間も遅刻してしまい、なんとか2時間後に時間をいただいた。柿本監督は忙しいのだ。何本かのPVを撮影・編集を平行していた。
最初の打ち合わせはでは、虚勢的、攻撃的に監督はロケ場所のイメージを言っていたように思う。なんだかんだ話をした最後にやっとニヤリと二人で少し笑い合えた気がする。それは、お互いに人見知りで少し気取ってたのをやっとやめた時だった。昔の23歳の自分と柿本監督が同じにちょっとだけ思えた。
しかし、この予算の中では…出来そうに無い事だらけだ。
(その2へ続く)