『初恋のてんまつ』(その2)
目にとても力がある、清々しい人だ。奈津役:夏生さちと初めて会ったのは、2月12日のことでした。永田監督、制作進行:宮本智寛と三人で羽田空港の喫茶店で待っていると、マネージャーさんとともに、ちょっと大きな制服を着て、スポーツバッグを斜めにかけて夏生さんはやってきました。その強いまなざしは特別に人をひきつけるものがあり、奈津役にぴったりだ。一日間で厳しい撮影現場となることをお伝えするが、「やりたい」という強い意志に満場一致でお願いすることとなりました。
夏生さんは本格的なお芝居は初めてということもあり、隆史役を落合扶樹さんにお願いする。落合さんは年齢だけでなく演技経験の上でも先輩で、夏生さんとのお芝居をリードしてゆく形となった。
二人は、撮影前々日に、台本の読み合わせの場で初めて顔を合わせる。緊張してか、なかなか思うように芝居が出来ない夏生さん。永田監督は明るく場を和ませながら演出をしていく。その日は深夜までとなったが、粘り強い練習が続く。「撮影当日宜しくお願いします!」との元気な挨拶で終了。撮影:福本淳と永田監督は、主人公二人の芝居を見て、深夜にも関わらず、どう撮っていくか打合せをすると言って消えていく。
皆の意気込みに脱帽。まだまだ夜は寒い2月。深夜、ずっと外での撮影になるがきっとこのキャスト・スタッフならば粘ってくれるに違いない。そう期待をして撮影当日を迎えるのだが…
(その3へ続く)