『世界でいちばん身体にいいこと』(その3)
11月27日。
1日にシーン数7カ所は困難ではあるけれど、なんとか撮れるだろう…製作部はどんどんたくましくなっていきます。しかし、うち5シーンはオープンロケ、11月末でもあり日照時間が心配です。
午前8時、田園調布駅前のカフェにて。ミホ役:宮澤美保、ユキミ役:田中有紀美のシーンからクランクイン。日常的ではない長セリフも完璧に「入って」いて、淡々と現場は進行していきます。リョーコ役:滝沢涼子、コーイチロー役:湯澤幸一郎は共に舞台俳優なので「感情移入しなくていいセリフは難しい」と苦笑い。ヘアメイク:成瀬真紀は素早くメイクの小技を施します。
ヨーコ役:山下葉子、ダイスケ役:響大祐は全篇クルマの中の演技です。カメラをボンネットやフロントグラスに装着する機材に手間取ったり、美術:富田麻友美の手作り仕掛けも試行錯誤となったり、日没が気になり始めました。
リュージ役:古澤龍児、ミレイ役:朝岡美嶺、トシヒコ役:小澤敏彦の3人は病院へ続く並木道を歩く患者という設定です。人員不足(予算不足?)から、人止めが難航。OKが出た時は日没ギリギリでした。
京橋の映画美学校へ移動。ヨーコとダイスケの妄想シーンは真俯瞰とクローズアップ。メイクの小技はこのシーンへと微妙に繋がっていますので、お見逃しなく。病院を模したシーンでオフに被る医師の声は、現場でのオーディションの結果、キャスティングディレクター、監督助手、そしてラインプロデューサーです。
午後8時、撮了。俳優部は、すっきりした顔で帰っていかれました。一日中、ショーペンハウエルの教えに従ったせいかもしれません。嘘。
ほんとうに素晴らしい一日でした。監督、キャスト、スタッフのみなさま、ありがとうございました。(了)