『大安吉日』(その2)
『ストロベリーショートケイクス』でのコンビネーションから、矢崎監督は、脚本:狗飼恭子を指名。プロットづくりが開始されました。2度目の打ち合わせで、監督からひとつのアイデアが出されました。美しく切ない短篇映画になりそうでしたが、結末がどうしても受け入れられなかったので、無礼を承知で、企画変更をお願いしました。
次の企画は『ストロベリーショートケイクス』からのスピンオフ版らしく、監督も脚本家もイメージがくっきりとできあがっているようでした。初稿を撮影:石井勲と吟味、一日撮影という条件で検討してみますが、不可能ということが判明。素晴らしい脚本なのですが、ルールはルールです。監督と脚本家には、無理を強いることになりました。
矢崎監督は一人で都内をシナリオハンティングして、改訂稿を練り直していきます。昼間は炎天下を歩き、夜は脚本:狗飼恭子と打ち合わせ。申し訳ない気持ちでもありますが、監督はこんなちっぽけな短篇映画でも、手を抜くことなく、楽しんでくれていると感じました。
キャスティングは、監督に送られてきた「暑中見舞い」で決定(!)千佳役:宮下ともみ、花江役:河井青葉からのハガキを見せながら、「この二人にしたいんです」こんなキャスティング光景も珍しいです。
ロケハンは難航。予定していたロケ場所が急遽、使用不可能になり、最終決定したのは、撮影の前日です。さすがの敏腕プロデューサー:伊藤直克も慌てますが、即座に情報収集。監督OKが出そうなロケ地を嗅ぎ分けた助監督:原田健太郎の奮闘に感謝です。
(その3に続く)