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『プリーズ、ウェイク・アップ』(その3)

9月24日。
朝から雨です。室内の撮影なので問題はないのですが、実は山内監督が、遅れてくる女:西野まり(山内劇場でおなじみの女優さんです)のシーンは、できれば雨がいい、と言っていたので、夜まで降り続けてくれるといいなぁなどと思っておりました。普段は晴れを望むのに。
撮影:小倉和彦はCMと映画をこなす早撮り名人です。照明:小山田智とのコンビも長いので、信頼できます。2カメですので、もう1台のカメラを塚本晋也監督作品で鍛えられた志田貴之が担当。山内監督は、テレビドラマの撮影方式も熟知しているので、2台のカメラの位置とサイズを的確に指示していきます。苦労していたのは、録音:永口靖、なにしろ2台のカメラはほぼ全篇手持ちで、寄ったり引いたり。マイクの入る場所がありません。美術:福澤裕二の隠し味は「灰皿」と「シャンパン」でした。灰皿はゴム製。なぜかは、ご覧になった方はわかるはずです。監督は「あのシーン」を一発撮りにこだわりました。シャンパンのラベルは、セリフ通りに「群馬産・最高級」の文字が…写っていませんけれど、俳優部には細かいところまで、伝わっていると信じています。
撮影快調。本読みの時、すでに3人の俳優はきっちりセリフが入っていて、さらに監督が修正していったので、本番はスムーズです。一日で撮るために、各組とも衣装合わせと本読みはきちんとやりました。テンポよく撮り進めて、劇場に入ってからも、すべてが順調です。時間が余ってしまい、予定のなかったカットも撮るなど、余裕のスタッフたち。監督念願の雨のシーンも狙い通り撮影できました。心配をよそに、予定表より2時間も早く撮影終了。撤収の時には、すっかり雨もあがっていました。
ほんとうに素晴らしい一日でした。監督、キャスト、スタッフのみなさま、ありがとうございました。(了)