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『プリーズ、ウェイク・アップ』(その2)

脚本は初稿から説得力がありました。問題は過激な表現があることと、シーン数が多く1日で撮りきれるかどうか、総尺が長過ぎるのではないか…でした。細かく打ち合わせをしたところ、改訂稿を書いてくれるとのこと。すぐに、送られてきた脚本は、セリフが数行、実景シーンが一つ、削られていただけでした。山内監督は計算していたのだと、思います。重要なシーンはカット割りされていたのですが、山内監督のCMのトーンのように、かなりカット数も多いです。困惑する助監督:高橋貴司、しかしカメラ2台で撮影すれば、実現可能という結論に。総尺のことも、監督のCMや舞台のテンポを考えると解決しました。
過激なシーン…娘・ようこ役のキャスティングが難航しました。母・シズエ役は山内劇場の常連:深浦加奈子、マジシャンと山形役:古館寛治(この二役も見所です)を当て書き、監督自ら調整をしてくれていました。キャスティングディレクター:山内雅子は舞台の役者をCMで起用、成功させています。しかし、よう子役の設定は18〜20才と若く舞台女優があまり豊富ではない年齢層です。脚本通りのお芝居を憶えてきてもらい、相手役をたててのオーディションの結果、よう子役:初音映莉子に決定。
安心していたところ、制作上の問題が浮上しました。「劇場」のロケセットがキャストのスケジュールに合わないのです。ぎりぎりまで交渉とロケハンを繰り返し、プーク人形劇場に決まりました。しかし、使用時間制限が19〜23時という厳しい条件です。せっかくの脚本を実現できるのかどうか、不安になりました。
(その3へ続く)